レアンドロ・エルリッヒ展編2018.3.2

レアンドロ・エルリッヒ展編2018.3.2

今年最初のヨリミチミュージアムは、森美術館で開催中のレアンドロ・エルリッヒ展へ。金曜日の夜、ほどよく賑わうなかでの開催となりました。

19:00を目指して続々と参加者のみなさんが集まってきました。スタッフの紹介のあと、早速グループにわかれます。

今回のヨリミチはひとりで見る時間はありません。エルリッヒの作品は誰かと一緒にみたい作品だよね、という下見でのヨリミチメンバーの体感から、鑑賞タイムは全てみんなでみる時間にしました。

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鑑賞中に湧いてくる「!」や「?」や「モヤモヤ」などを自然と口にしながら、3-4名のグループで作品を巡っていきました。

普段はお一人で美術館に行く方も多かったのですが、「『わぁ〜!』って言い合える人がいるといいですね!」とヨリミチの醍醐味を味わえる時間となりました。何度も展示をみていた私も、みなさんの感覚と言葉に触発されて、初めてみる作品のようにまだまだ開いていける視点をたくさん見つけられました。
湧き上がる感覚を忘れないように、途中メモを残したりしながら、約1時間の鑑賞タイムです。

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展示をみたあとは森美術館のラーニング担当の白濱さんと白木さんも加わってのカフェタイムです。
他のグループとどんな風に作品をみてきたか、どんなことを感じ、話したか、共有していきます。

印象的だったのは、「《試着室》からみんな笑顔で出てくるんだけど、『こわい』って言いながらだった(笑)」ということ。
その不思議な感覚の体験から、思わず笑みがこぼれるのがエルリッヒ作品ですが、ふと“普通”とは違う感覚、“いつも”とはズレている見え方に、「こわい」という言葉が出てきたようです。鏡があると思っている(思い込んでいる)ところに、向こう側からひょっこり別の人が現れたら、ドキッとします。

そんな感想を受けて、白濱さんからは「エルリッヒはわざと仕掛けがわかる状態で作品を展示します。その見え方や捉え方に意識を向けるように仕向けるのが彼の作品。それに、思わず声を掛け合うとか、作品を介してコミュニケーションが生まれるようなものが多いんです。」とエルリッヒの考えや作品の特徴などをお話いただきました。例の《試着室》では、ある小学校の子どもたちが来館した際、制服の学校だったので、鏡に映る自分と友だちがごちゃまぜになって、自分が何人もいるような感覚になっていたというエピソードも。それこそ、こわい、と、聞いて想像しただけでゾゾッとしました。。。

あっという間に時間は過ぎて、「話をしていたらもう一度みたくなった!」と展示室に戻っていく参加者のみなさんを見送り、今回のヨリミチは終了。

ご参加いただいたみなさま、森美術館のみなさま、カフェタイムにご協力いただいたTHE MOONのみなさま、ありがとうございました。

アート・コミュニケータ こんどうのりこ

撮影:IgaRina