「アート・コってなんだ?」
ってなんだ???
それが今回のイベントの答えだったのではないでしょうか。
簡単に言えば、答えにたどり着くような内容にはならなかった。
コロナ禍の中、活動の機会も減るばかりだと手をこまねいてばかりではダメだ。
コロナが収まってきたら真っ先に活動再開だ。
そのためには自分たちで活動の場を作っちゃおう。
自分たちで主催すれば、いろいろな実験的なこともできるし、誰にも遠慮なく試せるはず。
展示作品の作者も仲間なら、協力だって得やすいし、作者の想いも伝えやすい。
そんな意気込みで計画したものの、コロナは予想に反して感染者を増やしている状態。
一般から参加者を集めることができなくなり、本来、私たちがやりたかったコミュニケーション活動の方は、ほとんど実施できなかった。
密を避けるためということで、一般から参加者を募集する企画がすべて中止になったのはもちろん、途中からは仲間内への広報もセーブする状況。
そんな状態での開催だから、会場の楽しさはともかく、アート・コミュニケータを名乗る私たちにとっては、予定の半分もやりたいことをやれなかったと言ってもいいかもしれない。
まして、「アート・コミュニケータ」や「アート・コミュニケータ東京」がなんであるかなんて、来場者にも私たちにも実感できるはずもありません。
確かに、多少のパネル展示や、会場での来場者とのお話の中で、それらがなんであるかの説明はあったかもしれません。
しかし、そんな言葉の解説や説明でわかってほしいのではなく、なによりも来場者にアート・コミュニケーションを体験として感じて欲しかった。
知恵を絞って作り上げたワークショップに参加してほしかったし、いろいろな対話を通しての鑑賞も楽しんで欲しかった。
そして私たちもそれらの活動を通して、その魅力と意味を再確認したかったというのが「アート・コってなんだ?」という場だったのです。
そんな、目標達成からは程遠かった「アート・コってなんだ?」ですが、私たちにとっては収穫が多かったとも言えます。
なによりも、こんな状況下で開催に漕ぎつき、無事に3日間を終えたこと。
そして、作品制作から展示、運営までを自分たちで行うことができたこと。
鑑賞会とまでは行きませんでしたが、来場してくれた方と展示作品に関するお話する機会もたくさん生まれたこと。
これらは、私たちにふだんのアート・コミュニケータ活動では得られない視点を私たちに与えてくれました。
そして、久しぶりに多くの仲間と活動ができたこと。
頼もしく、面白く、まだまだいろいろな力を秘めていることにも気づかされました。
各々のこれらの経験や気づきはきっと、今後に活動に生きてくることと思います。
そして、なにより私たちの大きな“伸び代”を確認できたこと……。
今回の経験を今後の活動に活かせたときこそ、「アート・コってなんだ?」がなんであったかわかるときなのかもしれません。