休館日に原則一組に一人のアート・コミュニケータが付き添って鑑賞をサポートするプログラム。今年度第2回目は現代日本を代表する写真家・映画監督の蜷川実花さんの個展「蜷川実花『瞬く光の庭』」での活動でした。コロナ禍の昨年から今年にかけて、蜷川さんが国内各地で撮影されたという最新の植物の写真と映像を楽しみました。
猛暑日にもかかわらず当日キャンセルもなく、ご予約通りの方々にご参加いただきました。車椅子をご利用の方、お子様連れの方、手話通訳とともに回られる方、等々、それぞれのスタイルに合わせて、コミュニケータが寄り添います。
写真作品は本館1階から、春に始まり四季をなぞるように展示されていました。花の種類について語り合ったり、光の捉え方や色彩への感想や疑問を共有したり、藤の写真から庭園美術館の藤棚に想いを馳せたり、庭園の雪景色の作品に目を奪われたりと、館内のそこここで対話が繰り広げられていました。
新館には展示室をいっぱいに使ったダイナミックな映像インスタレーション作品があり、約15分の動画により四季の変化を体感しながら作品世界に包み込まれます。折り重なるように下げられたスクリーンに映し出された映像を、手を広げたり伸びやかな姿勢をとりながら、あるいはくるくると回りながら、場所を変えて動画を撮ったり撮られたりしている来場者の方々の様子も印象的でした。
同展では、8月22日の休館日に美術館を特別に開室し、赤ちゃんと暮らす家族のための一日「ベビーデー」も予定しています。(好評により受付を終了しました)