2023年12月、東京都渋谷公園通りギャラリーで開催された「アール・ブリュット2023巡回展ディア ストーリーズ ものがたり、かたりあう」において、もう一つの関連プログラムでもアート・コミュニケータ東京のメンバーが活動しました。
「アール・ブリュット2023巡回展 ディア ストーリーズ ものがたり、かたりあう」視覚障害のある方のための鑑賞ツアー
写真提供:東京都渋谷公園通りギャラリー
一般社団法人タップタップラボの依頼により、東京都渋谷公園通りギャラリー主催の同展関連イベント「視覚障害者向け鑑賞プログラム」の企画・運営に協力しました。
独創性あふれる表現方法が注目されるアール・ブリュット作家7名の作品を紹介する同展。
12月10日には「視覚障害者向け鑑賞プログラム」を開催。このプログラムの実施にあたっては、見えない方にどのように作品を楽しんでいただこうかと、半年程前から検討を重ね、触れるツールの制作に取り組みました。
展示作品から数点をピックアップして、素材や形状、レイアウトのバランスなどに思慮しながら試作を重ね、ギャラリーの学芸員の方々や当事者アドバイザーの方からも助言をいただき、オリジナルの「触図」を作成しました。
展示作品から数点をピックアップして、素材や形状、レイアウトのバランスなどに思慮しながら試作を重ね、ギャラリーの学芸員の方々や当事者アドバイザーの方からも助言をいただき、オリジナルの「触図」を作成しました。
「アール・ブリュット2023巡回展 ディア ストーリーズ ものがたり、かたりあう」視覚障害のある方のための鑑賞ツアー
写真提供:東京都渋谷公園通りギャラリー
鑑賞ツアー当日は、見えない方とガイドヘルパーの方5組にご参加いただきました。
アート・コミュニケータのアテンドにより、「公園」をコンセプトに作られたという展示会場の木製什器に触れていただくことからツアーがスタート。見える方に作品の印象を伝えていただいたり、学芸員の方から作者のエピソードを聞いたりしながら、要所要所で「触図」に触れていただきました。
参加者同士のコミュニケーションをメインとした対話による鑑賞で作品を楽しむことができたという方、触れるツールがあることで作品を理解する助けになったという方、感じ方はさまざまのようでしたが、それぞれに楽しんでいただけたようです。
「アール・ブリュット2023巡回展 ディア ストーリーズ ものがたり、かたりあう」視覚障害のある方のための鑑賞ツアー
写真提供:東京都渋谷公園通りギャラリー
情報保障という面からはまだまだ至らない点もあることは否めませんが、共に鑑賞する場をつくることとしては一歩進むことができたのではないかと思います。
我々アート・コミュニケータにとっても多くを学ばせていただく貴重な機会となりました。今後も探究を重ね、じっくり大切に育てていきたいプログラムです。
渋谷公園通りギャラリー